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がんに対する免疫療法は評価方法に振り回されていた

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menekiryouhou

がんに対する免疫療法の第1次ブームは1970年代の細菌由来やキノコ由来の「非特異的免疫賦活薬」です。腫瘍縮小効果に変わって、生存期間の延長が評価対象になり 免疫療法 の見直しが行われました。

免疫チェックポイント阻害薬が2010年に薬価収載され、期待が高まっています。


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がんに対する免疫療法は評価に振り回されていた


- 目次 -

  • 医者と患者の印象によって評価されていた時代
  • 検査機器の進歩によりがんの大きさが容易に測定できるようになった時代
  • がんを直接狙った免疫療法の出現
  • 生存期間の延長が評価の中心に
  • 新しいがん免疫療法剤
  • 免疫チェックポイント阻害剤の限界と問題

医者と患者の印象によって評価されていた時代

1970年代以前はがんに対する評価は、医者と患者の印象で決まっていました。いまでいう生活の質のみを対象にした評価法です。

現在の視点でこの評価方法は、かなりアバウトな評価方法ですが、がんが大きくなるのが一端止まると患者の生活の質が上がることがわかってからは決して否定される方法ではなく、生活の質を改善することはがん治療法の評価の一つとして取り入れられています。

「非特異的免疫療法」は、医者と患者の印象で、がんによる症状が取れることが多かったことから医薬品として承認され、日本では製品別売り上げの上位を占めるようになりました。


検査機器の進歩によりがんの大きさが容易に測定できるようになった時代

1970年以降X線やCTの導入により、がんの大きさが測定できることができるようになりました。その結果、「非特異的免疫療法」は腫瘍縮小効果がないことがわかり、売り上げが一気に落ちてしまいました。


がんを直接狙った免疫療法の出現

「非特異的免疫療法」はがん細胞に直接働くわけではないので、直接がん細胞を狙う免疫療法が開発されました。

免疫が細胞を殺すために出すサイトカインと呼ばれる液性因子を直接投与する方法が検討されました。その中ではインターフェロンが現在でも「腎癌」と「慢性骨髄性白血病」に対して効能をもっています。

がん細胞を無毒化してがんワクチンとして投与する方法や、他人の血液にがん細胞を混入し、がん細胞を免疫的に殺す細胞を増やして患者に戻す養子免疫療法などが開発されました。

しかしながら、がん細胞の成長のために必要な受容体を発見され、その受容体を止める働きのある化合物や抗体が医薬品として開発されました。それらの薬剤に対してがんをターゲットとした薬剤は効果が勝るものではありませんでした。


生存期間の延長が評価の中心に

腫瘍縮小効果は生存期間の延長の代替評価指標として認められていましたが、腫瘍は縮小するのに、副作用による死亡などがあり、必ずしも生存期間の代わりにはならないことが判明しました。

とくに腫瘍が大きくならなかった場合でも長期生存例があることも判明し、生存期間が第1の評価項目となりました。

その結果、生存期間が長いものが標準治療として採用されることになりました。また、治療の進化により5年以上の生存期間が得られた場合には5年生存率が指標とされる用になった癌腫もあります。(統計学上は死亡するごとに、生存数÷対象症例の数値をプロットした曲線で比較します。)


新しいがん免疫療法剤

2000年にがん細胞は免疫細胞を無力化するをもっていることが発見されました(この手を免疫チェックポイントと呼びます)。この手を無力化する免疫チェックポイント阻害剤が発見されました。

2014年に「悪性骨肉腫」を適応に発売され、2015年には「小細胞肺がん」に適応が広がりました。


免疫チェックポイント阻害剤の限界と問題

評判の新薬ですが、限界も既に明らかになっています。腫瘍縮小効果は30%しかありません。また、対象となった薬剤に対して生存期間は有意に延長していましたが、最終調査期間である2年半後に生き残っているヒトはありませんでした。

限界の理由は免疫チェックポイントは一つではないということです。現在研究中の違う免疫チェックポイントと併用すると生存効果に関してはまだ明らかではありませんが、腫瘍縮小効果は明らかに強くなりました。

もう一つの限界は、腫瘍がどの免疫チェックポイントをもっているかは、現在の測定技術では不明であるということです。これは、投与してみないと効果があるかどうか分からないとういう問題といつ投与を止めていいかが分からないという大きな二つの問題があります。

がんに特有な受容体に対する薬剤や抗体は、その受容体の有無により投与することにより、効果と副作用を減らすことを実現しています。

しかし、免疫チェックポイント阻害剤にはその手段は研究段階です。また、がん細胞はいろいろな細胞の塊であることがわかっています。また、短期間で分裂を繰り返していることから、一種の進化が起こっている可能性が示唆されています。

そのため、免疫チェックポイント阻害剤は細菌に対する抗生物質のように、自然に増えていくかもしれないという問題も含んでいます。この問題は小細胞肺がんに使われることによって、患者数が大幅に増えることから、今後注視していく必要があります。

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まとめ

がんに対する免疫療法は評価方法に振り回されていた
医者と患者の印象によって評価されていた時代
検査機器の進歩によりがんの大きさが容易に測定できるようになった時代
がんを直接狙った免疫療法の出現
生存期間の延長が評価の中心に
新しいがん免疫療法剤
免疫チェックポイント阻害剤の限界と問題

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