高血圧は日本人の国民病ともいえる病気です。改善のためには、減塩が重要とされています。
日本高血圧学会は、食事全体の減塩化の進展を目的として、減塩食品リストを選定しました。今回は、それら 減塩 食品 の現状と、それらを利用するために必要な知識をご紹介したいと思います。
減塩食品の現状と利用するための知識
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減塩食品の現状について
2013年6月、日本高血圧学会は、減塩食品としての基準を満たした食品のリストを作成しました。2016年3月現在でその食品数は102にも上ります。以下では、この減塩食品リストについて解説します。
どのような基準で認定されるのか
減塩食品として認定されるためには様々基準があります。その一部を抜粋してご紹介すると、「製品は対照品もしくは通常品より食塩相当量を 20%以上減じたものであること」とあります。
これは、通常販売されている食品よりも20%以上の減塩が必要ということです。その他にも味がほぼ同程度であるといった項目もあります。
どのような食品が含まれるのか
この食品リストには、塩や醤油、だし等の調味料のほかにも、うどんやインスタントラーメン等の食品も含まれます。現在では、掲載される食品は、惣菜や外食を含まず、調味料や加工食品に限定されています。
どのような項目があるのか
この食品リストは、企業別に商品名や品名、食塩相当量、減塩率などが表示されています。また対照とした従来の食品も掲載されています。
減塩食品を利用するための知識
減塩食品は正しく使えば美味しく減塩することが可能です。ここでは、これらの食品を正しく利用するために必要な知識を解説します。
減塩だからたくさん使っても良いわけではない
減塩食品は、官能評価という味に関するテストで、従来の商品と同程度の風味や味を有すると判定されています。しかし、このテスト自体にも誤差がありますし、味の感じ方は人によって異なります。従って、従来の食品よりも物足りなく感じてしまうこともあります。
そのため、人によっては習慣的に使用している量よりも多めに使用してしまうかもしれませんが、これでは減塩食品の意味がありません。
例えば、減塩率が50%の醤油を使用した場合、従来の使用量の2倍量を使用してしまうと、習慣的な食塩摂取量と同程度になってしまいます。減塩食品で減塩するためには、習慣的に使用している量以上を使わないようにしましょう。
減塩率に惑わされない
減塩率が高い食品は塩分量が少ないのかというと、そうとは限りません。もちろん、従来の食品と比較したら、減塩率が高い食品はそれだけ塩分量が少ないのは事実です。
しかし、もとより塩分量が多い食品(ラーメンなど(はいくら減塩率が高くても、食塩の摂取量を抑えるという観点からは摂取を控えるべきです。たまに塩分量が多い食品を食べたくなった時に、減塩食品を利用するのが正しい利用の仕方です。
賞味期限にご注意
おせち料理の味付けは濃いことが多いようです。これはなぜかというと、昔は3が日は料理をしなかったので、日持ちするようにと多くの砂糖や食塩を使うからです。食塩や砂糖が浸透圧の作用により、食品を腐敗させる微生物の増殖に必要な水を奪うため、食品が長持ちするようになります。
ですから、減塩食品は賞味期限が短めになる傾向があるようです。一概に、全ての食品の賞味期限が短くなるとは言えませんが、影響を受けることは確かです。
減塩食品を利用する時は、賞味期限が従来の食品よりも短くなっている可能性を考慮し、しっかりと賞味期限を確認するようにしましょう。
まとめ
減塩食品の現状と利用するための知識
減塩食品の現状について
どのような基準で認定されるのか
どのような食品が含まれるのか
どのような項目があるのか
減塩食品を利用するための知識
減塩だからたくさん使っても良いわけではない
減塩率に惑わされない
賞味期限にご注意