いつもスムーズかつ定期的に便が出ない便秘に悩まされている方の中には、すぐに便秘を解消できる便秘薬や下剤を使っている方も少なくないことでしょう。便秘が続くとのぼせや不快感だけでなく、疲れやすい、身体が重いなどさまざまな肉体的・精神的な不調を感じることが多くなります。
そのような不調を引き起こす便秘は早急に改善することが必要ですが、そのために安易に便秘薬を使っていると、次は 便秘 薬 による 副作用 によって別の悩みを抱えることになりかねないので注意が必要です。
知らずに使い続けるとおそろしい!便秘薬の5つの副作用
副作用が怖い刺激性下剤
辛い便秘を改善するために使われる便秘薬は大別して2つにわけられます。
1つが腸の動きを整えて便が自然に排出されるようにする整腸剤というものです。整腸剤は薬というよりも腸内環境を整えるためのものなので副作用をあまり心配する必要はありません。問題なのが、腸に働きかけて排便を促す下剤です。
下剤はさらに2つに分類することができます。
まず、カチカチに固くなった便に水分を含ませかさ増しして便が無理なく排出されるようにサポートする機能性下剤があります。即効性はそれほど期待できませんが、その分、腸に掛かる負担が少ないためおなかが痛くなりにくく、習慣性もそれほどありません。
問題なのが、腸をダイレクトに刺激して強制的に排便させる刺激性下剤といわれるものです。
アントラキノン系の下剤(アロエやセンナ、大黄など) 刺激性下剤の排便を促す働きは非常に強く、その働きに比例して副作用が出ることも少なくありません。
では次に機能性下剤の副作用についてみていきましょう。
副作用その1 腹痛・けいれん
機能性下剤を使用した時、強制的に腸を動かすためにおなかの痛みが起こりやすくなります。おなかの中の腸をぎゅうっと押さえられるような痛みなど立ってはいられないほどの痛みを感じることもあります。
便を出し切ってもまだ痛みが続くこともあり、使用後は軟便や下痢がおさまらないこともあります。また、痛みを感じるとともに体のけいれんがおこることもあります。
副作用その2 大腸メラノーシス(大腸黒皮症)
刺激が強すぎる刺激性下剤を使い続けることで大腸メラノーシス(大腸黒皮症) になるおそれがあります。大腸メラノーシス(大腸黒皮症) は、薬物代謝の過程で腸内の粘膜に色素沈着が生じて黒ずむ症状です。
ガンとの直接の因果関係は報告されていませんが、自覚症状が無いので本人は気づかないことも多く、大腸メラノーシスが進行すると大腸の動きがさらに低下して便秘を重症化させてしまうので注意が必要です。
副作用その3 切れ痔
腸に長らく滞留した便は水分が吸収され、よりカチカチで固くなっています。そんな便を薬を力を使って強制的に排出させるわけですから、腸内はもちろん排便時に肛門も傷つきやすくなります。
強力な刺激性下剤を使ったあとは軟便や下痢になりやすいことも多く、傷付いた場所に雑菌が付着することで炎症を起こしやすくなる点も見逃せません。
副作用その4 むくみ・不整脈
刺激性下剤を使うことでカリウムも排出され、体のだるさやむくみが起こりやすくなります。また心臓への負担も重くなり、動悸や不整脈が起こることもあります。
同様に鉄分も排出されることで貧血になりやすくなる、ビタミンやミネラルが排出されて脱水症状を起こしやすくなることもあるので注意が必要です。
副作用その5 習慣化
動いていない腸を薬で無理やり動かすことで、刺激が無ければ動けない腸になり、下剤が手放せなくなる習慣化もおそろしい副作用のひとつです。
さらにこわいのが、刺激に慣れてくるとさらに強い刺激でないと効かなくなるため、どんどん強い下剤を使わなければならなくなってしまう点です。また、自分の力で便意を感じることができなくなり、さらに慢性的な便秘になりやすくなります。
このように重篤な副作用がおこるおそれのある刺激性下剤は、本当に辛いときだけに使用するなど使い方を考えて利用するようにしましょう。
まとめ
知らずに使い続けるとおそろしい!便秘薬の5つの副作用
副作用が怖い刺激性下剤
副作用その1 腹痛・けいれん
副作用その2 大腸メラノーシス(大腸黒皮症)
副作用その3 切れ痔
副作用その4 むくみ・不整脈
副作用その5 習慣化