日本人の多くの方が悩んでいるのが便秘です。通常ならば1日に1回はあるはずのスムーズな排便が起こらず、数日から酷いときには1週間ほど排便がないなど辛い症状にお悩みの方は少なくありません。
今や現代病の一つといっても過言ではない 便秘 の 原因 を探ってみましょう。
もはや現代病。便秘を引き起こす原因
便秘の原因その1「ストレス」
現代はストレスの多い社会となっています。ストレスと便秘は一見無関係のようにみえますが、じつは深い関係があります。そのメカニズムをみていきましょう。
まず、ストレスにより体や心が緊張状態になることで交感神経が優位に立ち、腸のぜん動運動をコントロールする副交感神経の働きが抑えられます。
その結果、ぜん動運動が弱まる、逆に過剰に活動してけいれんをおこす(痙攣性便秘)など腸の正常な活動が困難となり、スムーズに排便することが出来ずに便秘になってしまうのです。
痙攣性便秘が長く続く場合は、過敏性腸症候群の可能性もあるので早めに専門医にご相談ください。
便秘の原因その2「運動不足と筋力不足」
日常的に運動する習慣がない方に便秘に悩む方が多いことからもわかるように、運動不足も便秘の大きな原因となります。
運動をすると、血行が良くなり、腹筋を含めた体の筋肉も鍛えられます。それによって体の冷えは改善され、腸も刺激を受けて活発に動くようになります。
しかし運動不足の状態が続くと、血行が悪くなる上に体の冷えも改善されず、筋力も低下し、刺激が与えられない腸の動きも鈍くなってしまい便秘になりやすくなります。
それ以外にも、運動不足には大きなデメリットがあります。それは、運動をすることで得られるストレス発散効果や自律神経を整える効果が得られないという点です。
上記(原因その1)でご紹介したように、ストレスを抱えると、自律神経が乱れ、腸の動きが不安定になってしまうのです。
また運動不足は、腹筋など排便時に必要となる筋力の衰えにもつながります。排便をするとき、自然とおなかに力が入り、いきむことで腹圧が上がります。それにより大腸が刺激されると、ぜん動運動も活発になって腸内にある便が肛門へとスムーズに押し出されます。
しかし、その腹筋が弱ければ排便を促す力も弱まり、肛門から便を排出する力も弱くなり便秘につながるのです。
便秘の原因その3「食物繊維と水分不足」
便の質の悪さも便秘の原因となります。70%程度水分を含み柔らかさがあるのが理想的な便の状態です。しかし、便秘の時の便はコロコロでカチカチになっています。これは便に含まれる食物繊維と水分が不足している状態で、便の質が悪い証拠です。
まず、普段の食事で、食物繊維が不足している方は積極的に食物繊維を多く含む食べ物を食べるようにしましょう。しかし、繊維質の野菜をたくさん食べれば良いというわけでもありません。
食物繊維には、便のカサ増しと蠕動運動を刺激する働きのある不溶性食物繊維と、ゲル状になり水分を含んで便を柔らかく動きやすくし、善玉菌のエサにもなる水溶性食物繊維の2種類があります。
この2つの食物繊維をバランスよく食べることで、スムーズに腸内を移動するふっくらとやわらかい便にすることができます。また、同時に腸のぜん動運動を刺激し、腸内環境を改善することが出来ます。
さらに、水分不足も大きな便秘の原因です。人間は1日に2リットル程度の水分を飲まなければなりません。しかし、仕事が忙しくて水分を十分に摂ることができていない方も多く、その結果、食物繊維をバランスよく摂っていても、便に含ませる水分量が足りずにカチカチになってしまうこともあるのです。
いくらストレスを適度に解消し、運動をしていても便秘になってしまうと言う方は食生活の見直しをしてみましょう。
便秘の原因その4「便秘薬の使い過ぎ」
数日、便が出ないとおなかは張り、気分も落ち込み、ストレスを感じてしまいます。それを解消するために、自力での排便を諦めて安易に市販の便秘薬を使ってしまう方も、それが便秘の原因となっているので注意しましょう。
便秘薬で強引に排便する癖が付くと、腸の働きが衰え、薬を使わないと排便できなくなってしまいます。また、薬に慣れてくると効果を出すためにさらに多い量の薬を使うようになり、さらに腸の活動が鈍ってしまうという悪循環に陥ってしまいます。
便秘薬は簡単に便秘を改善できるお手軽な方法ですが、乱用するとさらに深刻な便秘の原因となるのですぐにやめましょう。
まとめ
もはや現代病。便秘を引き起こす原因
便秘の原因その1「ストレス」
便秘の原因その2「運動不足と筋力不足」
便秘の原因その3「食物繊維と水分不足」
便秘の原因その4「便秘薬の使い過ぎ」