適正体重 は、BMIを横軸に死亡リスクを縦軸にグラフを書いたときに死亡リスクが最低になるBMIを身長で補正した体重です。この範囲を超えると生活習慣病でリスクが死亡のリスクが上昇します。この範囲に届かないと栄養失調などで死亡のリスクが上昇します。
つまり、適正体重より体重が増えても、減っても死亡リスクが増える体重を示します。
適正体重じゃなければどうなるの?
適正体重とは
適正体重は横軸にBMI(Body Mass Index:ボディマスインデックス)という数値を使い縦軸は死亡リスクを使います。
BMIは体重(単位キロ:キログラム)を身長(メートル)の2乗で割ったものです。
死亡リスクが底になるBMIは22です。体重が1メートル70センチメートルのひとの適正体重は22×身長×身長=64.6になります。
実際にはBMIの周辺であれば問題ありません。19.8から24.2までは許容範囲とばれています。
体重が少ない場合
BMIが19.8以下になると、栄養失調によるさまざまな病気のリスクが増えて適正体重のひとよりも死亡のリスクが高くなります。
男性の場合にはがん全体の発症リスクも高くなります。女性の場合にはがんの発症リスクが増えません。
女性の場合には摂食障害のリスクが高くなります。摂食障害とは、食欲を満たすための食事を嘔吐や下痢で食物が吸収されないうちに排泄する病的状態です。過度の栄養失調から、心不全や精神病のリスクが増えて死亡リスクが高くなります。
BMIが19.5以下の妊婦では、妊娠中に体重が増加しても、「低出生体重児」が生まれる場合があります。
体重が多い場合
BMIが24.2を超えると肥満と判断されます。糖尿病、高血圧、異常脂質血症、動脈硬化が併発すると急激に死亡リスクが増えます。
糖尿病、胃症脂質血症、動脈硬化などは偏った食事の結果ですので、併発と言うよりも病状のステージが上がったとみることができます。
適正体重を維持していても死亡リスクが増える場合があります
エネルギー摂取量が一定であれば適正体重は原則として保たれます。しかし、エネルギー源の炭水化物、タンパク質、脂肪の割合が異なると、死亡リスクが上昇することが明らかになっています。
また、体重以外にも多くの死亡リスクがあります。喫煙、運動不足、ストレス過多、アスベスト吸引など内的、外的なリスク上昇の可能性があります。
また、骨、筋肉(内臓)に比べ、脂肪は同じ体積では重量が軽くなります。適正体重であっても、骨粗鬆症や、運動不足でも適正体重が保たれている場合には、脂肪量が増加していることになります。
従って、あまり運動をしていないのに、昔から体重を保っているひとは骨密度や体脂肪率を測定する必要があります。BMIが正常でも隠れ肥満は存在します。
適正体重はある集団から得られた値を個人に利用しています。従って、目安量でしかありません。個人、個人の生活習慣を改善する場合や運動療法を行うことは、体重だけではなく、体脂肪率、骨密度、筋肉量などを測定して決める方がより正確な生活習慣の改善を行うことができます。
適正体重が適応できる範囲
新生児から思春期までのこどもに関して、適正体重は必ずしも役に立ちません。平均成長速度をプロットしたグラフからの解離を指標にします。しかし、身長の伸びと体重の伸びは同時に起こるわけではなく、どちらかが優先するため、ふっくらとみえたり、やせ気味に見える場合があります。
思春期のホルモンバランスの変化も体重に影響を与えます。このときの過体重は自然に元に戻ります。ホルモンバランスの異常による過体重を気にしすぎて、拒食症を発症する場合がありますので、注意が必要です。
まとめ
適正体重じゃなければどうなるの?
体重が少ない場合
体重が多い場合
適正体重を維持していても死亡リスクが増える場合があります
適正体重が適応できる範囲