体脂肪率とは体重の中の「脂肪の割合」を意味します。体脂肪は体にとって必要なものですが、増えすぎも減りすぎも体に良くないとされています。
現在では健康管理の重要な指標の一つになっている 体脂肪率 ですが、 体重計 で測定するメカニズムとは、そして、ベストの測定方法とはどのようなものかを調べてみました。
体重計で測定する体脂肪率
体脂肪率とは ?
体脂肪率は体重の中の「脂肪の割合」の意味で、言い換えれば、体重の何%が脂肪なのかをあらわしています。体脂肪は健康維持のために重要な役割を担っています。
例えば、運動するためにエネルギーを蓄える、気温の変化による体温の調節、免疫を高めたり性機能をつかさどるホルモンの分泌を行っています。また、現代では健康管理のための指標にもなっています。
一般的に、日本人の体脂肪率は、男性15~20%、女性20~28%が好ましいとされます。しかし、理想の体脂肪率は、男女、年齢などによって変化し、それぞれ異なるのです。
その区分は「痩せ」「標準-(マイナス)」「標準+(プラス)」「軽肥満」「肥満」の5段階にわけられ、標準を外れると、他の病気になるリスクやダイエットの必要性が高まります。
体脂肪率はどのように測定されるのか
体脂肪率はどのようにして測定されているのでしょうか ?体重計は、測定時に体に非常に微弱な電流(50キロヘルツ、500マイクロアンペア)を流して抵抗値を計り、脂肪、筋肉率といった体組成を算定します。
脂肪は電気をほとんど通さず、筋肉や血管など水分の多い組織は電気を通しやすいという性質を利用しています。これはBI法(Bioelectrical Impedance、生体インピーダンス法)と呼ばれます。
電気抵抗値、身長、体重、年齢、性別の5項目を使った計算式によって脂肪とそれ以外の組織の割合が算出されます。
体脂肪率の誤差
BI法は手軽ですが実は問題もあります。例えば、体全体に電流が通らず、足の一部のみに電流が通るため、正確なデータが得られない場合があります。
また、実際には体脂肪率が変化していないのに、体の水分量や、水分の分布状況の変化により、測定値が変動してしまう場合があります。一日のうちの体脂肪率の変化を「日内変動」と呼びます。
計るタイミングによって、体脂肪率はかなり変動してしまうことが知られています。飲食後は食べたものを消化するために胃や腸に血液が集まります。このため、手足の血液は少なくなり、これと共に手足の水分も減ってしまいます。
この状態で測定すると手足の水分が少ない分、電流を通しにくくなり、体脂肪率は通常より高く計測されます。
お風呂に入ると体に水分が補給されて、体の水分が増えます。入浴後に計測すると、水分が増えたために電流が通りやすくなり、体脂肪率は通常より低く計測されてしまいます。
また、運動後に体脂肪率を測定すると通常より低く計測されてしまいます。これは、運動によって筋肉にたまった代謝物に保水作用があり、電流が通りやすくなるためです。
疲労がたまって体がむくむと代謝が悪くなり水分が排出されにくくなります。この状態で計測すると、体は水分が増えたため、電気を通しやすくなっているので、通常よりも体脂肪率は低く算出されます。
女性の場合、生理前に、多くの「黄体ホルモン」(女性ホルモン)が分泌されます。この黄体ホルモンによって体内の水分は増加します。水分が多くなると体脂肪率は、通常より低くなり計測されてしまいます。
その後、月経血によって水分も排出されるので、体内の水分量は減少します。すると体脂肪率は上がります。
体温の変化も体脂肪率に影響します。体温が高いと体脂肪率は低く測定され、体温が低いと体脂肪率は高く測定される傾向があります。
理想の測定方法
理想の測定方法とはどのようなものでしょうか。測定時に注意すべき点をあげてみました。測定を避けた方がよいのは、運動直後、脱水や、むくみのある場合、発熱時、気温低下時や低体温の時、入浴直後などです。
測定する場合は、食事をしてから2時間以上経っていること、排尿や排便してから測定しましょう。完璧に正確な測定値を計ることは難しいことを知って、少しの数値の上下ではなく長い目で計測を続けるのも大切なことです。
毎回、なるべく同じ状態で測定を続けるためには、起床後5分以内に測定するのがおすすめです。
まとめ
体重計で測定する体脂肪率
体脂肪率とは ?
体脂肪率はどのように測定されるのか
体脂肪率の誤差
理想の測定方法