生活習慣病 とは不適切な食事や運動の過剰あるいは不足が原因となる病気の事です。生活習慣病のカテゴリーに入る疾患はがん、糖尿病、脳と心臓の血管障害です。
生活習慣病の反対語は感染症と外傷、自殺です。
日本人の死因の第1位はがん、第2位は心臓病、第3位は脳卒中となっています。3大死因が生活習慣病で占めています。
日本人の死因の上位3位をしめる生活習慣病
生活習慣病の定義
生活習慣病とは、感染症などの外部からの病原体の一部が病気の原因になるのではなく、生活習慣(食事、運動、タバコ、アルコール)が原因となっている病気を指します。
子宮頸がんや肝細胞癌はウイルスの感染が原因となっているものもありますが、その他のがんは生活習慣病の範疇になっています。
高血圧が原因となる心臓病や脳卒中、脳梗塞も生活習慣病の範疇になっています。
糖尿病は1型糖尿病にはウイルスや自己免疫がすい臓のインスリン産生細胞を破壊するあるいは減少することにより発症するので、生活習慣病には入りません。糖分の取り過ぎによる2型糖尿病が生活習慣病の範疇に入ります。
メタボリックシンドロームは生活習慣病のシグナル
メタボリックシンドロームとは肥満と糖尿病、高血圧、脂質異常症のいくつかが合併している状態を指します。
メタボリックシンドロームのヒトは脳や心臓の血管障害で死亡するリスクが高くなることが疫学調査で明らかになっています。また、がんによる死亡も、がんの種類によって異なりますが、疫学調査で明らかになっています。
誤った食習慣が生活習慣病を招く
食事と冠状動脈疾患との関係を明らかにしたのは、1957年に始まったSeven Countries Study(SCN)です。SCN冠状動脈疾患が人種の差であるのか、他に原因があるのかを調べるために、食文化、生活環境が大きく異なる米国、日本、フィンランド、ユーゴスラビア、ギリシャ、イタリア、オランダの7か国で40~59歳の男性を対象として、同じ調査方法で行った研究です。
SCNにより、5年間の飽和脂肪酸の摂取量と虚血性心臓病死は日本とギリシャが他の5か国に比べて低いことが分かりました。
このときの日本とギリシャの食事では飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の摂り方が1:1:1でその他の国では飽和脂肪酸の割合が高くなっていました。
ギリシャの食事に関しては、その後、多くの研究が行われ、地中海式ダイエットという生活病になりにくい食事法が確立しました。日本食の研究は進まず、1980年代のバブル景気により、日本食は欧米に近いものとなってしまいました。
運動の効用
ヒトは心臓の鼓動や呼吸、体位を保つために、筋肉がエネルギーを使います。これを基礎代謝量と呼びます。これは、意識的な運動を全く行わなくとも消費するエネルギーと言い換えることもできます。
その他に筋肉を動かすと当然エネルギー消費量が増えます。しかし、エネルギー消費量以上のエネルギー源をとると、肝臓がブドウ糖や脂肪を、体中に存在する脂肪組織と筋肉が脂肪を貯蔵します。
ブドウ糖は脳が唯一使えるエネルギー源ですので、不足すると脳の働きが弱くなり、死亡に至ることもあることから、必要に応じて貯蔵しているブドウ糖を動員します。
コレステロールも細胞壁とホルモンの材料ですので、不足すると障害が起こります。従って、必要に応じて動員できるような形(脂肪酸と結びついた形)で貯蔵しています。
脂肪はエネルギー源意外にコレステロールを肝臓から各組織に運び、余ったコレステロールを肝臓に回収するという役割があります。
過重な運動を行うと筋肉細胞が破壊をうけ再生が必要となります。これにはタンパク質が大切です。
生活習慣病を予防するには
メタボリックシンドロームの基本となる肥満を改善し、適度に運動を行うことが生活習慣病の予防になります。
肥満を予防するためには、医師は有酸素運動を勧めています。3日間の平均と歩数を500歩ずつ増やしておき、3日間の平均値が1万歩になるようになれが、10分間のジョギングを加えていく方法が、全く運動していないヒト向けの有酸素運動法です。
生活習慣病の予防あるいは進展予防には食事の改善と運動療法で効果があることは脳、心臓血管病と糖尿病では明らかになっています。
がんに関しては、さまざまな種類のがんがあり、すべてのがんで食事の改善と運動療法で予防できるかどうかは意見が分かれています。
まとめ
日本人の死因の上位3位をしめる生活習慣病
生活習慣病の定義
タボリックシンドロームは生活習慣病のシグナル
誤った食習慣が生活習慣病を招く
運動の効用
生活習慣病を予防するには