私たち人間には、外部から侵入しようとする病原菌やウィルスから体を守る力「免疫力」があります。免疫力が高いほど病気にかかりにくくなります。自分で免疫力を高める方法に食事があります。
今回は、健康を維持するために 免疫力を高める食事 を紹介いたします。
免疫力を高める食事で健康維持
体を温める食品を食事に取り入れて免疫力を高める
体を温めると免疫力が高くなります。人間の免疫細胞の60%から70%は腸にあるので、特に腸を温めることが免疫力アップにつながるそうです。体を温める食品を摂取することで、腸も温まります。
食品には体を温めるものと冷やすものがあり、野菜、果物、魚、肉も体を温めるものと冷やすものにわかれます。
体を温める野菜には、冬が旬、土の中にできる、黒、赤、オレンジ色という特徴があります。例えば、人参、ねぎ、ごぼう、レンコン、かぼちゃなどです。
反対に、体を冷やす野菜は、夏が旬、土の上にできる、白、青、緑の葉物という特徴があります。例えば、レタス、トマト、ナス、セロリ、ほうれん草などです。
果物が体を温めるか冷やすかは、その果物が生産されている場所の気候が関係します。りんご、ぶどう、さくらんぼなどのように比較的寒い地方の果物は体を温めて、パイナップル、マンゴー、バナナなどの南国の果物は体を冷やします。
鮭、まぐろ、サバ、カツオなどの北の海で獲れるものや赤身の魚は、体を温めるそうです。このように寒い時期や寒い場所の食品は体を温めるものが多く、暑い時期や温暖な場所の食品は体を冷やします。ほとんどの肉が体を温めますが、豚肉は体を冷やします。
免疫力を高めるためには、体を温める食品を上手く日々の食事に取り入れることが大切です。けれども、体を冷やす食品を全く摂取してはいけないということではありません。それらの食品にも栄養価の高いものはたくさんあります。
ですから、体を冷やす食品は、体を温める食品と一緒に摂取する(例えば、ほうれん草のおひたしに鰹節をかける)などの工夫をして栄養バランスの良い食事を心がけたいです。
発酵食品を含んだ食事で免疫力を高める
免疫力を高めるには体を温める食品を含んだ食事をすることの他にも、免疫細胞の6割から7割がある腸の環境(腸内フローラ)を整えることも大切です。
腸の中には1,000兆個以上の細菌があります。これらの細菌は、善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌など)、悪玉菌(病原性大腸菌、ウェルシュ菌など)、日和見菌(バクテロイデスなど)の3種類に分類することができます。
この3種類(善玉菌、悪玉菌、日和見菌)の割合が2:1:7というのが腸内フローラの整った状態です。善玉菌は、乳酸菌などの善玉菌を含む食品を摂取することで増やすことができます。
善玉菌を増やすのに適している食品は発酵食品です。発酵食品が腸内環境を整えるのに適しているのは、善玉菌である乳酸菌がたくさん含まれているからです。特に野菜や豆の発酵食品に含まれる植物性乳酸菌は胃酸で溶けないので、生きたまま腸に届いて腸を活性化させます。
免疫力を高める発酵食品には、納豆、ぬか漬けや柴漬けなどの漬物、味噌、醤油、酒かす、塩麹。ヨーグルトなどがあります。これらの発酵食品を日々の食事で摂取して、腸内フローラを整えるようにしたいですね。
和食は免疫力を高める食事として最適
これまでに体を温める食品と発酵食品を含んだ食事が免疫力を高めるのに効果的だと紹介しました。これらの食品を効果的に摂取することのできる食事といえば「和食」です。
例えば、ごはん、味噌汁、焼き魚、納豆、かぼちゃの煮物、漬物という献立には、発酵力品と体を温める食品がたくさん含まれています。
味噌汁の具を海藻にすることで、善玉菌の餌になる食物繊維も同時に摂取することができたり、鮭などの体を温める魚を塩麹につけて焼いたりするなど一工夫することで、さらに免疫力を高める食事になります。
食事の欧米化が進んでいる昨今ですが、今一度和食を見直してみると良いかもしれません。
免疫力を高めるために食事以外にも気を付けたいこと
食事だけに気をつけていても、免疫力を高めて健康を維持することは難しいです。不規則な生活をしていては、免疫力は低下してしまいます。
ですから、規則正しい生活をして質の高い睡眠を十分に取ること、適度な運動をして血流を良くすること、シャワーだけで済ませず湯船に入って体の芯まで温めることなども免疫力を高めるには大切なことです。
また、大きなストレスを抱えていると免疫力が低下する原因になります。仕事や家庭以外の場所でも趣味や目標を持つなどして、リラックスできる時間や環境を作ることも、免疫力を高めて病気にかかりにくい体を作るためには重要です。
まとめ
免疫力を高める食事で健康維持
体を温める食品を食事に取り入れて免疫力を高める
発酵食品を含んだ食事で免疫力を高める
和食は免疫力を高める食事として最適
免疫力を高めるために食事以外にも気を付けたいこと