健康診断は、現在の健康状態を明らかにし、健康の維持や疾病の予防・早期発見に役立てるものです。法律で必要な項目が定められており、 健康 診断 の検査 項目 について理解することが、自身の健康管理にとても大切です。
一般的な定期健康診断の検査項目について紹介したいと思います。
社会人なら知っておこう。定期健康診断の検査項目について
問診と身体測定
問診は、あらかじめ現在の体調や検査前の飲食状況、最近の健康状態や気になる症状、喫煙歴、嗜好、本人や家族の既往歴など、さまざまな質問があり、この問診票をもとに医師や看護師が質問し、検査の参考とします。
身体測定では、身体の発達や栄養状態などを把握することに役立ちます。また、身長と体重からBMI(肥満度の判断指標)が分かります。腹囲測定では、メタボリック・シンドロームの判定の材料となります。
視力と聴力検査
視力検査では、一般的に遠見検査が用いられ、1.0以上が正常です。
聴力検査では、オージオメーターという専用の機械を使います。外部の音を遮断した部屋で片耳ずつ測定し、周波数1000Hzと4000Hzの音域を発することで、低音と高音の両方が聞こえるかを調べることができます。
採血と尿検査
肝機能(GOT・GPT・γ-GTP)
GOTは心筋、肝臓、骨格筋などに多く存在し、これらの臓器に異常が起こると血液中のGOTの量が増加します。
GPTはとくに幹細胞の変性や壊死に敏感に反応し、肝臓・胆道系の病気の診断に有効な検査となっています。
γ-GTPは、肝臓の解毒作用に関係している酵素であり、肝臓や胆管の細胞が壊れると血液中にγ-GTPが漏れ出てきます。肝炎や脂肪肝、アルコール性脂肪肝などの指標として利用されています。
脂肪(中性脂肪・HDLコレステロール・LDLコレステロール)
中性脂肪は、主に食べた食事から脂質として小腸から吸収されて、血液中に取り込まれますが、体内の生命維持活動のエネルギーとして利用されます。使いきれない余ったエネルギーは中性脂肪として蓄えられます。
HDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれ、体内に蓄積された古いコレステロールを回収し、肝臓へと運ぶ役割をしており動脈硬化を予防します。
LDLコレステロールは、悪玉コレステロールと呼ばれ、加齢や食生活の乱れにより増加します。動脈硬化や心筋梗塞などの病気を引き起こす原因となります。
血糖(空腹時血糖値・随時血糖値・HbA1c)
空腹時血糖値は、食後8時間以上経過した際の血液中の糖の量を指し、随時血糖値は、食後の血液中の糖の量を指します。HbA1cでは、過去1~2か月の血糖状態が分かります。
血糖値は、食事の内容や採血した時間、運動量などにより影響を受けやすいため、血糖値と合わせてHbA1cも合わせて糖尿病の診断基準になっています。
尿検査(尿糖・尿蛋白)
尿糖は、血液中の糖が尿中に排出された糖のことを指します。腎臓で血液から濾過される過程で、通常水分とともに糖は再吸収されますが、血糖が異常に増加した際に漏れ出てしまい、尿糖として検出されます。尿糖が検出されたからといって必ずしも糖尿病とは限りません。
尿蛋白は、腎臓の糸球体で濾過される過程で、腎臓に障害がある場合や、激しい運動やストレス、たんぱく質の過剰摂取などで漏れ出ることがあります。
胸部レントゲンと心電図検査
胸部レントゲンは、肺・心臓・器官・横隔膜など、肺だけではなくその周りの臓器までも映し出すことができます。健康診断では心臓と肺の疾患を中心に医師が目視で病気の診断を行います。
心電図は、健康診断では安静状態で測定します。心臓は動くときに電流を発し、収縮と弛緩を繰り返します。その際の、リズムや波の高さを示したものが心電図です。リズムは規則正しいか、波の高さは一定かなど、医師による判断で心疾患の有無がわかります。
診察について
診察では、さまざまな検査の結果から、医師が総合的に健康状態の確認を行います。診察室に入ってきた際には、歩き方や顔色なども目視し、触診、口腔内の観察、聴診、問診票を基に質問を行うなど短時間で健康状態をアセスメントします。
まとめ
社会人なら知っておこう。定期健康診断の検査項目について
問診と身体測定
視力と聴力検査
採血と尿検査
胸部レントゲンと心電図検査
診察について