「健康診断は検査結果が「いのち」を救う(前編)」では、健康診断ではどのような検査項目があるのかご説明いたしました。後編では、検査後の「検診結果説明会」という健康相談についてご説明いたします。
保健師や栄養士が各地区を訪問し、 健康 診断 の 結果 からアドバイスをおこなっています。
健康診断は検査結果が「いのち」を救う(後編)
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結果と治療のアドバイス
特に病歴の増える中高年、高齢者には、健診はありがたい制度です。近頃は「健診結果説明会」というのもあり、保健師、栄養士が各地区へ訪問して、健診結果についてのアドバイス、健康相談を行っています。
これまで結核、消化器系の集団検診と指導をよく目にしましたが、いまは肺炎、CKD(慢性腎臓病)に、ガン検診などをオプションで勧めています。なかでもCKDは多くの健診団体が注意呼び掛けをするようになりました。
成人の8人に1人が腎臓病なのだと発表しています。「腎障害」か「腎臓機能低下」のいずれか、あるいは両方が一定期間以上続く状態のことをいいます。日本での患者数は1,330万人だそうです。健診でいうこのCKDの定義は、2つあります。
1、尿検査や血液検査、画像検査などで、腎臓に明らかな障害が認められる。2、腎臓のろ過機能(GFR)が健康な人の60%未満に低下。(1と2のいずれか、あるいは両方が3カ月以上続く状態)を指摘しています。
健診で重大病気を発見
もう少し慢性腎臓病について記しますと、この病気の怖さをまとめたパンフレットを健診者に配布するようにしているのは各市町村です。
「むくみ、だるさ、貧血、吐き気、食欲不振」などの症状があらわれたときには、すでに病気が進行していることがほとんどといいます。そして「自分がいまどのステージ(病期)にあるか」を確認させるのです。
なぜこのように指導するか、といえば、腎臓は一度悪くなると、元に戻すことができないのです。異常が出たら早めの対策が大切だと、医師は言っています。
肝臓病も痛いなどの初期の自覚症状がありません。しかしウイルスによるC型慢性肝炎もインターフェロンにたよった副作用の多い治療でしたが、つい最近、経口剤の特効薬で、ほぼ100%の効果が認められるものが出たのです。
これは副作用が少なく世界を救う第一級の民間薬として医学会が承認しています。また近年は、男性の前立腺ガンが血液検査で簡単に検査できるようになって発見が増え、この患者が急増しています。これは健診と精密検査のおかげです。
健診は毎年受診していることで、自分の身体を内部からチェックでき、医師や看護師による医療指導までしてもらえるなんて、なんて素晴らしいシステムでしょう。
そこには自分の健診年月日がデータとして残り、既往歴、自覚症状、検査項目の細かな測定値、心電図などが記録されています。たとえ病気になったとしても、過去のデータがすぐに開示できて役に立つはずです。
まとめ
健康診断は検査結果が「いのち」を救う(後編)
結果と治療のアドバイス
健診で重大病気を発見