「漢方薬と西洋薬の一番の違いは「証」によって処方が異なる(前編)」では、漢方薬での問診や証の判定についてご説明いたしました。後編では、生薬の種類や 漢方薬 と西洋薬の違いについてご説明いたします。
近年、慢性疾患に対し漢方薬と西洋薬の併用も研究されています。
漢方薬と西洋薬の一番の違いは「証」によって処方が異なる(後編)
生薬の種類
生薬は単独で用いるものではありません。「君臣佐使」という概念で生薬の配合を行います。「君」とは処方全体の作用の方向や副作用の軽減・消去などを目的として配合します。「臣」は「君」の薬の働きを増強します。「佐・使」は実際の治療効果を示すものです。
「佐・使」は症状に応じてほぼ同じような生薬を用います。しかし、副作用を伴うものも多く、摂取量、摂取期間には注意が必要ですが、「君」と「臣」を使うことによって、体質に合わせた漢方薬が出来上がります。
西洋薬との違い
「佐・使」の様に症状に対して直接効果を持つものもありますが、実際には体質を変化させることによって、症状に対して、人間が持つ防御力を高めることによって、病気に対応することになります。
そのため、西洋薬よりも効果発現が遅い場合があります。慢性疾患に関しては体質に応じた漢方薬が処方されることによって、効果が出る場合があります。
西洋医学では慢性疾患に対しては、例えばLDLコレステロール上昇症ではコレステロール合成阻害剤で早期にコレステロールを下げ、延命効果が実証されています。
漢方薬の場合には、コレステロール合成量が正常に近づくように周りから攻めていく方法をとっていますが、臨床試験が不足していることから実際に延命効果が出ているのかどうかは不明です。
慢性疾患に対する漢方薬と西洋薬の併用考えている研究所も増えてきていますが、短期的な効果は漢方併用による効果が出る場合もあります。しかし、慢性疾患の評価は、延命効果があるかどうかです。その分野の研究が今後、求められます。
まとめ
漢方薬と西洋薬の一番の違いは「証」によって処方が異なる(後編)
生薬の種類
西洋薬との違い