日本では、成人のうち約2割の男性と約1割の女性の方が慢性的にいびきをかいているという報告があります。中高年になるほどいびきをかく人が増えるといわれていますが、 いびき の原因として使用している 枕 とどのような関係があるかをしっかりと理解して快適な睡眠を続けてください。
あなたはいびきと枕にどのような関係があるか知っていますか
いびきをかく原因としてはどのようなことが考えられますか
いびきの原因として考えられる要因には多くのことが考えられますが、一般的にはいくつかの要因が重なっていびきをかくケースが多いようです。考えられる要因は次のようなものです。
- 肥満(BMI:25以上)
- 鼻の病気をかかえている
- 口で呼吸する
- 手をあげて寝る
- 疲労・ストレスがある
- 酒を飲む
- 小さいあごの形である
- アデノイドの肥大・炎症がある
- 睡眠薬などの薬剤を飲用している
- 不規則な生活習慣をおこなっている
- 高齢者である
しかし、いびきをかきやすい人として共通する特徴は「肥満型の人」・「首が太く・首が短い・下あごが小さい人」・「中高年の人」などがあげられます。
いびきの直接的な原因は寝ているときに気道が圧迫されて狭くなり、ここに強く空気を通すことによって周囲の器官が振動していびきの音が発生します。
日常、起きている間には気道は充分な広さを維持しており圧迫されることがありませんのでいびきは発生しませんが、寝るときになると重力・筋肉のゆるみによって気道が圧迫されて狭くなります。
「肥満型の人」・「首が太く・首が短い・下あごが小さい人」は舌・のど・首・あごの位置から見ても気道が狭くなりやすい原因となります。
また、加齢によって舌・のどの筋肉の力が老化して「中高年の人」はいびきをかきやすくなります。
もう一つ、いびきをかきやすい人の特徴としては「使用している枕が高い」という要因があります。すなはち、枕の高さを変えるだけでもいびきを軽くし、なくすこともできるということです。
枕の高さの違いによってなぜいびきを起こすのか
高い枕を使用する場合、あごが引かれて首が圧迫されて気道がくの字のように折れ曲がって狭くなりますので、いびきをかきやすくなります。中高年の方でいびきをかきやすい人は枕の高さを変えるだけでいびきを軽くすることもできます。
それではなるべく低い枕に変えれば良いかというと必ずしもそうとは限りません。加齢によってのどの筋肉の力が低下して、舌が気道に沈むことによって、気道が狭くなる場合があります。このような方が低い枕を使用するとさらに舌が気道に沈みやすくなりいびきをかきやすくなります。
次にどのようなタイプの方が高めの枕または低めの枕を使用するのが良いかを紹介しますので、参考にしてください。
高めの枕をおすすめするタイプ
- 加齢によってのどの筋肉が衰えている方
- 鼻づまりなどで口呼吸をしている方
- 睡眠薬・アルコールによって筋肉がゆるむ方
低めの枕をおすすめするタイプ
- 肥満のよりのどの内側に脂肪がある方
このように、人によって気道が狭くなる原因はまちまちですので、高い枕が良い・低い枕が良いというような簡単な結論がないことを理解してください。
さらに、気道が狭くなるいくつかの要因が重なる方の場合は、枕の高さを変えてもいびきが軽くならないこともあります。
どのように自分に合う枕を選べば良いのでしょうか
市販されている枕の種類も非常に多く、自分に適した枕をどのように選ぶかを迷われる方も多いと思われます。首の位置が高すぎる・低くすぎる場合にはいびきの原因となりますので、自分の体型に合うように調整できる枕を選ぶことが大切です。
次に大切なポイントは枕の素材については形がくずれない枕を選んでください。枕の形が寝ている間に変形する場合は、高さも変わりいびきをかきやすくなります。
このような点から、柔らかい素材である羽毛・ポリステル綿・羊毛などを使用している枕は頭が沈み込みやすいので向いていません。
一方、硬めの素材であるそば殻・プラスティックを使用している枕はある程度の重さがかかっても高さは変わりませんので、いびき対策には適している枕です。ただし、中の詰め物が移動しにくいかを必ず確認してください。
低反発枕も詰め物が動かないというメリットもあり人気がありましたが、素材として使われているウレタンフォームも柔らかいものと硬いものがありますので、なるべく硬いものを選んでください。
次に一般的にいびきをかきにくい枕を選ぶ際のポイントをあげますので参考にしてください。
- 寝たときに、肩と背中がふとんに接しており、腰が浮かない。
- 気道がせまくなっている感覚がない・首に圧迫感がない。
- 頭が枕から自然に落ちないような頭の位置が安定している。
- 枕に使用されている素材の感覚がしっくりとして、柔らかすぎず・硬すぎない。
前記のポイントも含めて、自分で判断できない方はコンサルタントサービスを実施している販売店で相談してください。そのほかにも、オーダーメイドの枕を選ぶとか整形外科枕と呼ばれる高さを微調整できる枕を選ぶこともお勧めします。
まとめ
あなたはいびきと枕にどのような関係があるか知っていますか
いびきをかく原因としてはどのようなことが考えられますか
枕の高さの違いによってなぜいびきを起こすのか
どのように自分に合う枕を選べば良いのでしょうか