風邪をひいたあとの長引く鼻づまりも、まだ風邪がなおりきっていないだけだろうとあまり気にしていない場合もあるでしょう。しかしそれは風邪ではなく、鼻の中に 鼻茸 というポリープができているせいかもしれません。
鼻茸は良性のポリープなので生命にかかわる危険性はありません。しかし自然に消滅することはなく大きくなるとさまざまな症状がでてき、ひどくなると取り除くための手術が必要となります。鼻づまりの症状が長引く場合は一度耳鼻咽喉科での受診をおすすめします。
鼻茸のできる原因と治療法
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鼻茸とは
鼻の粘膜が炎症をおこし、その一部が白くぷよぷよとした風船のように膨らみ鼻腔内にたれさがったもののことをいいます。その形状がきのこに似ていることから鼻茸という名前がつきました。
また鼻の中にできるポリープなので鼻ポリープともよばれています。鼻ポリープは良性のため、がんになるリスクはありません。
鼻茸の症状とできる原因
鼻茸が小さなうちには自覚症状はありませんので、できていることにも気づかない場合がほとんどです。しかし大きくなってくると症状がでてきます。
一番多い症状は、空気の通り道である中鼻道に鼻茸ができることによっておきる鼻づまりです。
最初は左右交代の鼻づまりがおき、悪化してくると両方とも鼻づまりをおこします。鼻づまりになると呼吸が苦しくなるので口呼吸になります。そうすると喉が乾燥して痛んだり風邪をひきやすくなります。
また口の中が渇き唾液が少なくなることによって口臭も強くなります。そのほかの症状には、臭いを吸い込む空気の流れに障害がおき臭いを感じにくくなる臭覚障害、鼻水がのどの奥に流れていく後鼻漏、鼻水がでる、頭痛などがあります。
鼻茸は鼻の奥にできるものなので小さなうちは鏡でのぞいても鼻の穴からはみえません。しかしある程度大きくなると見えるようになる場合もあります。またサイズは大きなものでは親指大になることもあります。発生する数も1つではなく、2つ3つと複数できることも多いです。
鼻茸はひとつの原因だけでできるのではなく、複数の症状が重なってできるものと考えられています。鼻茸ができている人の多くは副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、気管支喘息との合併症が多いため感染症とアレルギーが原因とされています。
つまり長期にわたり鼻づまりの症状がつづくことによって鼻の粘膜が刺激を受けつづけ副鼻腔炎となり、その状態が続きくり返し粘膜が炎症をおこし続け悪化することによって鼻茸ができてしまうのです。
治療法と注意点
鼻茸は良性のポリープなので生命にかかわる病気ではありません。しかし自然に消滅することもありません。比較的軽い場合は薬で症状を抑えることも可能ですが、症状が重く生活に支障をきたす場合は手術で取り除く必要があります。
手術といっても最近では内視鏡をもちいた手術が主流で、入院の必要もなく以前と比べて負担は少なくなっています。
ただし鼻茸をとったからといっても病気そのものがなおったわけではありません。鼻茸は単一で発生する症状ではないため、もとの病気をなおさないことにはふたたび鼻茸ができる可能性もあります。
したがって副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎の症状がある人はその治療を続ける必要があります。もしふたたび鼻茸ができてしまった場合は再手術を受ける必要がある場合もあります。
鼻茸は自然に消滅することはないものの、まれに鼻を強くかんだり、大きなくしゃみをした際に取れてしまう場合があります。
取れて出血した場合は鼻のなかにティッシュやガーゼなどをつめ止血し、鼻茸が取れたところからばい菌が入り膿んでしまう可能性があるので耳鼻咽喉科で処置をしてもらうことをおすすめします。
まとめ
鼻茸のできる原因と治療法
鼻茸とは
鼻茸の症状とできる原因
治療法と注意点