塩分の摂りすぎはさまざまな健康被害を引き起こすため、昨今は減塩食品がブームを超えた習慣になりつつあります。伝統的な保存食である梅干しは優れた殺菌作用や美容効果を持ち、健康管理に昔から活用されてきました。
手作り梅干しの美味しさと安全性はそのままに、塩分だけをひかえる 減塩 梅干しの作り方 をお教えします。
おいしい減塩梅干しの作り方
梅干しと塩分
梅干しといえば酸っぱいイメージですが、ご飯との相性が非常に良いのは塩分が多く含まれているからであり、それは長期保存が大前提だからに他なりません。
常温で保存できる梅干しは塩分濃度が高いもので20%以上にもなります。開封後は冷暗所に置くよう指示されており、必ずしも冷蔵保存を必要としません。
1粒を20gとして計算すると、1粒あたりのナトリウム含有量は2g弱で、食塩相当量だと5g近くなることもあります。
梅干し自体はおいしい上に優れた健康効果と殺菌作用を持つ食品にして、調味料でもありますが、現代人の食生活をトータルで考えると、もっと塩分を控えたいのが正直なところです。
市販の梅干しでも塩分が10%前後のものや、さらに低く8%程度に抑えたもの、3%を切るものもあります。濃度が下るほど賞味期限が短くなり、より徹底した温度管理が必要になるのは当然ですが、冷蔵庫で保管して短期間に食べるぶんには差し支えありません。
その多くはちみつ漬けや昆布漬けなどの「調味梅干し」です。白干しした梅を水に漬け、塩分を減らしたものに味付けしたもので、厳密には浅漬けに近く、梅干し風食品と言えます。開封後は冷蔵庫に入れます。
さらには塩を一切使わない商品もあります。調味液の他に各種お酢に漬け込むことで、梅干しの酸っぱさを再現します。発酵食品としての健康効果のかわりに、お酢の栄養価や、梅が持つビタミンEやクエン酸などの栄養素をそのまま摂取できるので人気です。
基本的な梅干しの作り方
完熟梅を丁寧に洗い、水気を拭き取り、殺菌した保存容器に塩と梅を入れ、重しを乗せて塩漬けにします。次に1日から3日ほど待って上がってくる梅酢を確認してから発酵させます。
理想はこの間に梅雨を越し、よく水気を切った梅を、風通しの良い場所で天日干しにします。天候をみながら1日~2日で裏返し、まんべんなく干せば基本的な白干し梅の出来上がりです。冷暗所で保存してください。
梅酢とは梅味の塩水ですが、調味料として利用できるので殺菌した容器に入れて冷蔵庫で保管しましょう。
減塩梅干しを作るには
塩分濃度が10%以下の梅干しを、減塩梅干しといえますが、それだけ腐りやすいことを念頭におきます。本来は瓶や壷で漬けるイメージですが、手軽に少量ずつ漬ける方法もあります。
たとえば市販のジッパーパックを活用し、お酢も使います。このとき、塩だけでなく焼酎やお酒を入れることで、減塩梅干しがカビることを防げます。焼酎とお酢の割合は1:1です。はちみつ漬けにする場合は、この段階で梅の重要の10%ほどを入れます。
ダンボールでもゴミ箱でも構わないのでジッパーパックごと敷き詰め、その上に水を入れたペットボトルなどを置いて重しの代わりにします。
1日に1回、ジッパーパックごとひっくりかえして中身をごっそりとかき混ぜます。家庭にあるもので代用できるものがたくさんあるので、水漏れと密封と殺菌に留意して試してください。
次に乾燥ですが、梅に水分が残っているとカビやすくなるので、余計な水分をきちんと拭き取ることがポイントです。湿度が高い時は扇風機などで風を当てます。
減塩白干し梅の活用
出来上がった減塩梅干しはまだ白干しの状態です。味も薄いのでひと手間加えることでぐんとおいしくなります。最も一般的なのが赤しそによるアレンジです。この時、白干しにする段階で生成された梅酢を活用します。
塩もみしてアク抜きをした赤しそを梅酢で揉みこみ、その梅酢を捨てたあと新たな梅酢で揉むようにします。赤しその風味の付いた梅酢は味付けにも使えますが、薄めて梅酢ドリンクにしたりとアイデア次第でレパートリーが広がります。
その他の代表的な減塩梅干しに、昆布漬けやかつお節漬けがあります。旨み成分が豊富で、酸味や塩味を抑えてもおいしくいただけます。
梅の種類、大きさ、塩加減、干し具合、味付けなど、一口に梅干しといってもその可能性は無限大です。自分だけのオリジナル減塩梅干しをお好みで作って、食卓をもっと賢くおいしく彩りましょう。
まとめ
おいしい減塩梅干しの作り方
梅干しと塩分
基本的な梅干しの作り方
減塩梅干しを作るには
減塩白干し梅の活用