上半身と下半身をつなぐ大腰筋が弱ると、骨盤は上体を支えきれなくなります。そのため背骨のカーブが不自然な湾曲となり、骨盤に歪みが生じたり神経が圧迫されてさまざまな不調を引き起こす原因となります。
大腰筋 を意識的にトレーニングすることで、背骨や骨盤の歪みを矯正して美しい姿勢を保つことが可能になります。
日常生活の中で簡単にできる大腰筋トレーニング
トレーニング効果が実感しやすい大腰筋
大腰筋は休眠筋肉とも呼ばれ、ハードなスポーツをしているか日常生活で意識して使われていなければ眠った状態になっています。
通常の筋力トレーニングでは効果を実感するまでにはハードなトレーニングを3ヶ月程度行い筋肉を大きくする必要がありますが、大腰筋の場合は活性化させるだけで姿勢維持や便秘改善などの効果をすぐに実感できる傾向があります。
日常生活でできるトレーニング
大腰筋は高度なバランス感覚を求められるアスリートでもない限り、激しいトレーニングをする必要はありません。普段の生活の中でも眠っている大腰筋を活性化させるトレーニングは十分可能です。この項では日常生活の中で行えるトレーニングを紹介します。
なるべく階段を使う
大腰筋は脚を引き上げるのに使用されるので階段を登るのは効果的です。この時に太ももの前側にできるだけ力が入らないように注意します。1段飛ばしで登ればより効果的です。
大腰筋を刺激する歩き方
普段より歩幅を広げて歩きます。お腹の位置を固定して、できるだけ前後左右に体がぶれないように注意します。また後ろ足を地面から離すのをワンテンポ遅らせるとさらに効果的です。この時に太ももの後ろ側の筋肉も意識して歩きます。
大腰筋を刺激する座り方
深く腰かけた時にひざの位置が腰より下になる椅子を選びます。背筋をまっすぐにして骨盤を立てた状態で座ります。この時に首が前に出ないように注意します。
肩や腹筋の力をできるだけ抜いたまま美しい姿勢を維持することで大腰筋が刺激されます。さらに座ったままで太ももを軽く上げ下げするのも効果的です。
自宅で簡単にできるトレーニング
ジム通いや器具を使用しなくても大腰筋を鍛えることは可能です。この項では自宅で行えるトレーニングの中から負荷が小さめで簡単なものを紹介します。
ニートゥエルボー
背筋を伸ばしてまっすぐ立ち、片腕のひじを曲げ拳が上にくるようにします。そのまま反対側の太もも(右腕の場合だと左脚)を上げ、同時に背筋をまっすぐに保ったままゆっくりと上半身を倒してひざとひじを付けます。この動作を左右均等に無理のない回数で行います。
ひざとひじがうまく付かない場合に無理をすると転倒の危険があるため、できる範囲の動作で行います。片足でバランスをとりづらい場合は四つん這いの状態でも行うことも可能です。その場合も背骨をまっすぐに保つように注意します。
この運動は負荷が少ないため、行うときはしっかり大腰筋の動きをイメージするようにします。
ニーレイズ
ベッドなどに腰掛け、後ろ側に手をつきます。上半身を後ろに反らさないよう意識しながら股関節を曲げ片脚を上げ下ろしします。骨盤が前後左右に傾かないように注意して、左右同じ回数行います。
腕や腹筋の負荷が強く感じる場合は仰向けに寝てひざを胸に近づける動作も同様の効果を得られます。ただしこの時も腹筋に力が入り過ぎないように、股関節の屈曲をイメージして行うよう注意が必要です。
大腰筋に効かせるスクワット
立ったまま椅子の背もたれに手を置き、足を肩幅に開きます。そのまま後ろにお尻を引くイメージで、床と太ももが平行になるまでゆっくりとひざを曲げていきます。
つま先より前にひざが出てしまうとひざを痛める原因となるため、重心は後方をキープしつつ椅子の脚と自分のすねが平行になるよう意識して行います。
トレーニングをより効果的に行うために
これらのトレーニングを行う際は反動をつけずにゆっくり行うのが効果的です。また腹筋や太ももの前側の筋肉だけを使わないように、しっかり大腰筋の位置と動きをイメージして行うことが大切です。
さらに大腰筋に拮抗する、太ももの後ろ側の筋肉も意識するとより効果的に行なえます。
まとめ
日常生活の中で簡単にできる大腰筋トレーニング
トレーニング効果が実感しやすい大腰筋
日常生活でできるトレーニング
自宅で簡単にできるトレーニング
トレーニングをより効果的に行うために