古くから美容と健康のために愛されてきた日本が誇る温泉文化。なかでも女性に嬉しいのが 美肌の湯 です。
代表的なものに炭酸水素塩泉、硫酸塩泉、そして硫黄泉の三種類があるので、泉質ごとにその効果と魅力を紹介します。
泉質で選ぶ美肌の湯のススメ
炭酸水素塩泉
「炭酸水素塩泉」は代表的な美肌効果のある泉質で、クレンジングの湯などと呼ばれることもあります。以前は「重炭酸土類泉」と「重曹泉」に分けて分類していました。
重炭酸土類泉はカルシウム炭酸水素塩泉とマグネシウム炭酸水素塩泉で、重曹泉はナトリウム炭酸水素塩泉ですが、美肌の湯と呼ばれているのは主に後者です。
重曹泉は皮膚の表面を軟化させる作用があり、皮膚病や火傷などの肌トラブルによいといわれています。
肌の余分な角質を取り除き、毛穴の汚れを洗い流す効果があるため、入るだけで石鹸で洗ったように身体を清潔に洗浄する効果があります。体温が放散されて清涼感を感じるので、「冷えの湯」や「清涼の湯」と言われることもあります。
皮脂を落とし肌をスベスベにしてくれますが、肌からの水分が蒸発しやすい状態になるので注意が必要です。入浴後は十分な保湿を心掛けると効果が持続します。
また、炭酸水素塩泉は飲泉としても用いられる点が特徴で、飲泉としては肝臓病や糖尿病、生活習慣病などに効果を発揮し、胃酸を中和することから地域によっては消化器系の薬として飲用されてきました。
国内で美肌効果をうたっている炭酸水素塩泉の湯といえば、北海道の登別温泉、岩手の国見温泉、秋田の乳頭温泉、栃木の塩原温泉、群馬の伊香保温泉、長野の安曇乗鞍温泉、義父の奥飛騨温泉、千葉の養老渓谷温泉、京都の天橋立温泉、奈良の吉野温泉、和歌山の龍神温泉、佐賀の嬉野温泉、長崎の島原温泉、大分の別府温泉などが有名です。
硫酸塩泉
「硫酸塩泉」は鎮静作用や血圧を下げる効果があることから動脈硬化に効果があり、別名「脳卒中の湯」と言われています。
また切り傷や火傷に効くことから「傷の湯」と呼ばれこともあります。脂分を洗い流すはたらきがあることからニキビや肌荒れに効果を発揮するため、「美肌の湯」としても人気が高いのです。
特に脂性肌の人と相性の良い硫酸塩泉ですが、肌に温泉成分が付着して天然の温泉パックのような状態をつくってくれる特長があります。
入浴後も肌がしっとりして湯冷めもしにくいため、「清涼の湯」である炭酸水素塩泉よりうるおいが実感されます。言うなれば化粧水の湯ですが、もちろん乾燥肌の人は十分な保湿ケアが必要です。
美肌の湯で知られる硫酸塩泉に、北海道の登別温泉、青森の浅虫温泉、岩手の湯田温泉、宮城の鳴子温泉、山形の蔵王温泉、福島のいわき湯本温泉、新潟の赤倉温泉、茨城の奥久慈温泉、山梨の甲州湯村温泉、群馬の川中温泉、神奈川の強羅温泉、石川の山中温泉、静岡の伊豆湯河原温泉、鳥取の因幡温泉、島根の玉造温泉、熊本の黒川温泉、沖縄の西表島温泉などがあります。
硫黄泉
美肌の湯の中でもとりわけ美白効果が高いとされているのが「硫黄泉」です。メラニンを分解し、紫外線を遮断する効果もあるとされています。
硫黄泉に含まれる硫化水素成分は肌に浸透しやすく、毛細血管を拡張させるはたらきがあり、血行を促進して老廃物を押し流すことからデトックスの湯とも言われます。
古い角質は溜まってしまうと肌トラブルの治療をさまたげますが、硫黄泉は古くなった角質を除去するのでシミやくすみ、吹き出物の改善に効果を発揮するのです。
硫黄泉の名所には湯治施設を持つ場所も多いことから、健康効果の高さがうかがえます。いわゆる温泉の匂いが強いのも特徴です。比較的北国に多い印象なのは色白美人の多いことと無縁ではありません。
有名な硫黄泉には、北海道の川湯温泉、青森の酸ヶ湯温泉、岩手の八幡平温泉、秋田の大湯温泉、福島の土湯温泉、新潟の燕温泉、栃木の日光湯元温泉、埼玉の秩父温泉、長野の野沢温泉、岐阜の白川郷温泉、兵庫の須磨温泉、和歌山の勝浦温泉、徳島の租谷温泉、香川の塩江温泉、長崎の雲仙温泉、大分の明礬温泉、鹿児島の湯之元温泉などがあります。
まとめ
泉質で選ぶ美肌の湯のススメ
炭酸水素塩泉
硫酸塩泉
硫黄泉