ドラッグストアのみならず、病院の処方でも増えてきている漢方薬。植物由来の身体に優しい漢方薬はどのようなものなのでしょうか。また、 漢方薬 を服用することで私たちの身体にどのような 効果 をもたらすのでしょうか。漢方薬についてお伝えします。
漢方薬で心身のバランスを整える効果!この症状にはコレ!
漢方薬とは何だろう?
漢方薬とはそもそもどんなものでしょうか?漢方薬とは生薬(しょうやく)を複数種類混ぜ合わせて作られたものです。漢方薬に使用される生薬とは、天然の動植物や鉱物に手を加えず蓄えておいたものを言います、現在の生薬は植物性がほとんどを占めます。
漢方薬は混ぜる生薬の種類や分量、服用する時間や方法に制限があります。漢方薬は生薬で構成されており、生薬を単体で服用しても漢方薬とは言えません。
漢方薬を用いた漢方治療は、病気に対して漢方を投薬するのではなく患者の状態に合わせて投薬しています。患者の心身のバランスを直すことで、病気を改善しようとするのです。
漢方薬の効果を感じるまで
「漢方薬は効果が出るまで時間がかかる」とイメージを持たれる方が少なくありません。けれど実際は驚くほど早いスピードで効果を感じられると言います。早ければ一週間程度で効果ががあらわれます。もちろん患者の生活習慣、病気の症状や漢方薬の種類によって個人差はあります。
例えば風邪を漢方薬で治療した場合、悪寒や頭痛を取ることはすぐにできます。しかし慢性的な冷えなどの症状には2、3か月から半年ほど効果に時間がかかります。
この際、漢方薬だけではなく食事の改善や運動も必要になります。薬に頼りすぎ、自分の生活習慣を変えることができない方には中々効き目があらわれないと言ってもいいでしょう。
風邪を引いたら葛根湯!
「風邪の引き始めに葛根湯(かっこんとう)」とよく聞くように、葛根湯は7種類の生薬からなる漢方薬です。葛根湯に含まれる生薬の「桂枝」は風邪の症状の頭痛や、熱によるのぼせに効果をもたらします。
「生姜」は身体を温め、発汗を促してくれます。また風邪を引いた時に節々が痛むことがある関節痛にも効果をもたらします。「麻黄」には咳止めの効果があります、身体の内側の熱を上げてもくれるので免疫機能を上げてもくれます。
漢方薬の葛根湯が魔法の薬と称されるのも、これだけの効果があるからだということがわかります。
筋肉痛には芍薬甘草湯を
「筋肉痛には芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」がおすすめです。芍薬甘草湯は名前の通り「芍薬「と「甘草」の2種類から作られた漢方薬です。両方とも痛みを緩和する作用を持っています。
筋肉が急激なけいれんを起こすこむら返り(足をつるといった状態)になった時に芍薬甘草湯は使用されます。急激な筋肉の痛み以外にも慢性的な腰痛や肩こり、生理痛などさまざまな痛みに広く用いられる万能な漢方薬です。
妊娠を心配している方や薬剤にアレルギーを持った方が鎮静剤を使わずに痛みを緩和させることができるものなので、とても重宝されています。
五苓散で二日酔いを吹き飛ばす!
「二日酔いには五苓散(ごれいさん)」が効いてくれます。五苓散は体内に溜まった余分な水分を輩出する働きをする漢方薬で、二日酔いにみられるむくみやめまい、吐き気といった症状を改善してくれます。また水分の代謝だけではなく、アルコールの代謝改善作用もあります。
冷えを治すなら真武湯
女性に多くみられる症状の冷え。冷えを改善するためにゆっくりとお風呂に浸かったりしているのではないでしょうか。「冷えには真武湯(しんぶとう)」とう漢方薬が効果をあらわします。身体が冷えることは、だるさや抵抗力の低下、不妊症などさまざまな体調不良に繋がります。
真武湯に含まれる「附子」は身体を温める効果が非常に高い生薬です、この附子が冷えの改善へと導いてくれます。
先にお伝えした通り、風邪や二日酔いと違って冷えを改善していくには効果があらわれるまで時間が必要になります。漢方薬で体質を整えながら、身体を冷やさないような生活の改善も行うと効果はより高まります。
心身を整えてくれる薬
現在のような薬が普及する前から使用されていた漢方薬が、新薬が作られてもなお治療に用いられているにはお伝えしたような効果があるからです。身体だけではなく、生活習慣といった心がけから改善してくれる効果がある漢方薬は、これからも私たちの生活になくてはならない薬です。
まとめ
漢方薬で心身のバランスを整える効果!この症状にはコレ!
漢方薬とは何だろう?
漢方薬の効果を感じるまで
風邪を引いたら葛根湯!
筋肉痛には芍薬甘草湯を
五苓散で二日酔いを吹き飛ばす!
冷えを治すなら真武湯
心身を整えてくれる薬