「体のだるさの抜けないときは、その原因を考えてみましょう。(前編)」では、運動や自律神経の乱れからくる体のだるさについてご説明致しました。後編では、さらに踏み込み疾患を 原因 とする 体のだるさ や女性特有の体のだるさについてご説明致します。
体のだるさの抜けないときは、その原因を考えてみましょう。(後編)
女性特有の原因
妊娠・生理により女性ホルモンのバランスが普段とは違ったものとなります。そのため体のだるさを感じることがあります。症状がでている場合には、毎月のことだからと考える人もいますが、「月経困難症」という病気です。ひとりで悩ます、産婦人科や専門外来を受診することも検討しましょう。
更年期もホルモンバランスが大きく変わる時期ですので、体のだるさの原因になる可能性があります。
鉄不足、栄養不足
鉄は体の細胞に酸素を供給するヘモグロビンに必須の物質です。酸素濃度が低下すると体のだるさの原因になります。虚弱体質とよばれる場合は貧血の場合が多く体のだるさは貧血が原因の場合が多くなっています。
生理による出血も鉄不足から体のだるさの原因になります。食生活で鉄分の供給が不足している場合にも体のだるさの原因になります。
栄養不足も体のだるさの原因になります。現在の栄養状態ではあまり動けるほどの量が足りていないと脳は働くことを少なくしようとします。それが体のだるさが原因となります。不適切なダイエット、放置児童、遭難などで最初におきる体のだるさは栄養不足が原因です。
病気
一番有名なのは慢性疲労症候群です。これは体のだるさが、食生活の改善、仕事量の改善などによっても6か月改善しない場合に慢性疲労症候群と診断を受けます。
慢性疲労症候群の原因にはウイルスと見られた時期もありましたが、現在はウイルスに関係がない場合の方が多いことが明らかになっています。慢性疲労と区別するためにアメリカでは全身性労作不耐疾患と昨年名前が変わりました。
甲状腺機能亢進症では代謝が亢進します。そのため酸素の消費量が増加し、体のだるさの原因になります。
感染症の発熱前にも体のだるさを感じる場合があります。これは感染防御機能として白血球が感染に対する防御機能として働きます。そのため白血球の生産が高まり、相対的に赤血球の数が減ってしまいます。
赤血球はヘモグロビンを運ぶ役目を担っていることから体の疲れに原因になります。
発熱するとリンパ球もの生産量が増え、さらに赤血球の相対量が減ります。従って、体のだるさは強くなります。
薬剤の副作用
殺細胞性の制癌剤では体のだるさの原因となります。殺細胞性の制癌剤はがん細胞だけでなく、骨髄に影響を与えます。その結果、赤血球の量が減って体がだるくなる場合があります。
赤血球よりも白血球の方が影響を受けますが、白血球が低下した場合には体が感染状態に陥ったと判断して赤血球の生産よりも白血球を生産することによって体にだるさの原因となります。
自己防衛反応
ストレスに対する自己防衛反応によって体のだるさがでる場合もあります。また、目では眼精疲労という症状があります。目だけでなく体の一部が酷使された場合にも体のだるさの原因になる場合があります。
これは体の一部を酷使することにより、その部分の自己防衛のために血流が多くなり、体の血液量に偏りができます。これが体のだるさの原因となるといわれています。
まとめ
体のだるさの抜けないときは、その原因を考えてみましょう。(後編)
女性特有の原因
鉄不足
病気
薬剤の副作用
自己防衛反応